鍼灸治療はなぜ効くのか 鍼灸治療はなぜ効くのか 鍼灸医学は古代中国で生まれ 現在にまで伝承されてきた医学です。 鍼灸医学における主要な論理は 陰陽五行説に基づいています。 この思想の起源は古く、 古代の皇帝が判断を下すときに用いた「易」に その端を発するとされています。 鍼灸治療がなぜ効くのかの研究が 各種公的機関により 意欲的に進められております。 「気」の概念を科学的に実験・解明することで 代替療法としての鍼灸がより身近なものになり 西洋医学との連携治療も期待されます。 今後の成果次第ですが現時点では 以下のことがわかってきています。 ■自律神経系、内分泌、免疫系等に作用する ・血液やリンパの流れが良くなり、 ・ホルモンや自律神経のバランスを調える ・消化器・呼吸器・泌尿器などに 働きかけ、バランスを調える ■中枢性及び反射性の筋緊張の緩和 ・筋肉の緊張がやわらぎ、 皮膚温が上昇する ■血液やリンパ液循環の改善 ・白血球等が増加して免疫力が高まるなど 生体防御機構を強化する ■生体の恒常性の強化=ホメオス ターシス (病気を自然に回復させる作用) 鎮痛効果 ■ゲートコントロール・・・ ・鍼灸の刺激が痛みの刺激をブロックする (ゲートコントロール説) ・鍼刺激が脊髄において痛みを抑制する ■エンドルフィン・・・ ・脳内モルヒネ様鎮痛物質が分泌される ことで痛みが和らぐ ・鍼刺激がモルヒネ様鎮痛物質の 遊離を促し痛みを抑制する ■末梢神経の遮断効果・・・ ・鍼刺激が末梢神経の痛みの ...............インパルスを遮断する ■経穴(ツボ)の鍼刺激による --痛覚閾値の上昇による鎮痛効果 鎮痛効果に関しては患者の苦痛を 和らげる必要のある<終末医療>で 積極的に治療に取り入れられています。 体の負担が少なく副作用の無い鍼灸は QOL向上(生活の質)の面からも高く評価を受け 鎮痛機序に関しての研究が日々推進されています。 従来は、「鍼灸治療がなぜ効くのか」を 神経生理学の視点から明らかにしたいと考え、 動物実験を中心に研究してきました。 しかし、最近になって、鍼灸領域で使用されている 基本的な用語に、科学的な定義が ないことに気づきました。 定義が明確にされていないということは、 何を明らかにすれば証明されたことになるのかが 不明であることを意味します。 このため「ツボ」でさえ、いまだにその存在が 証明されたとはいえないのが実情です。 そこで現在は中国最古の系統的だった 医学書である『黄帝内経』を中心に、 「気」「経絡」「経穴」「蔵府」「三焦」 等々の基本的な用語について、 これらが一体何を意味しているのか、 を考証したいと考えて文献的な研究を進めています。 |
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