鍼灸治療は東洋医学
大きな宇宙という自然の中で生活している人間を、
心と体で形づくられた小宇宙と考えます。
小宇宙の中を気と血が流れていて人間は生きています。
この大宇宙と小宇宙、気と血のバランスが崩れたとき、
病気になると考えるのが、東洋医学の疾病観です。
鍼灸は、そのバランスを調整する医術なのです。
治療の基本には、経絡と経穴=(ツボ)があります。
経穴=(ツボ)は、長い歴史の中で経験的に見つけられた
特別に治療効果の有る体表上のポイントで、
「気と血」のエネルギーの通り道である経絡上に点在し、
その経絡をつなぐ点のことです。
鉄道の路線と駅のようにお考え頂くと、分かり易いでしょう。
経穴は鍼灸施術することにより様々な作用を表わします。
経穴には正穴と奇穴があり、
正穴は14本の経絡(任脈、督脈と12正経)に属し、
滑寿の『十四経八揮』によると354穴が全身に存在します。
1989年二WHOでは、奇穴のうち7穴を14正経に所属させ、
361穴としました。奇穴も250穴以上あります。
経穴の場所の多くは関節、筋溝、腱上、腱下、
骨縁、骨端、骨孔、動脈の上や静脈の上、
神経の上部にあたる部分に存在しており、
実際に取穴した際に指頭を使って経穴部位を確認します。
疾病の際にその部分に様々な病態変化が起きるので
指頭で探ることにより圧痛や、
特異な響きが出ることがあります。
これを内臓皮膚体表反射といいます。
逆に鍼灸等を用いて刺激することにより
治療を行ったときに出る現象を
皮膚体表内臓反射といいます。
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